さまざまな家電メーカーから続々と新製品が発売されている、電気圧力鍋。
コロナ禍以降、おうち時間が増えたことをきっかけに購入した人も多く、最近のヒット家電として話題になっています。

電気圧力鍋は便利そうで気になるけれど、毎日使うか分からないし、種類が多すぎてどれを選べば良いか分からない…そう思って手に入れるのを躊躇されている方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、電気圧力鍋の魅力について調査しました。
電気圧力鍋でできることや使うメリット、自分に合った電気圧力鍋の選び方や注意すべきポイントを詳しく解説していきますので、ぜひ購入の参考にしてみてください。

電気圧力鍋とは

電気圧力鍋とは、ガスや火を使わず、電気で圧力調理ができる家電の総称です。
火を使わないため、調理の間、キッチンで付きっきりになる必要がなく、目を離しても調理できることから、家事で忙しい人の味方として人気となっています。

従来も圧力によって煮込み料理ができる圧力調理器具は存在していましたが、コンロの上で使うコンロ型の圧力鍋が主流でした。

コンロ型の圧力鍋は、鍋内の蒸気を逃す際に大きな音や勢いよく蒸気が出ます。
使い方によっては爆発のような事故も起こりかねないため、「怖い」と敬遠していた人も多いでしょう。

実際、過去には圧力鍋の蓋がきちんと閉まらないまま圧力をかけ、蓋が外れて中身が飛び散る事故や、加熱後、圧力が急激に低下して爆発事故が起きた事例が発生しています。

一方で、電気圧力鍋は、加圧スタートから火加減の調整、減圧まですべて自動でコントロールされています。
コンロ型圧力鍋と比べて使い方が簡単で手間がかからない、爆発事故の危険性も少ないことから、毎日の料理用にと購入する人が多くなっているのです。

電気圧力鍋の仕組み

密封した容器に蒸気を閉じ込めながら加熱すると、圧力がかかります。
それによって鍋内の温度を上げ、短い時間で調理できるようにするのが圧力鍋の仕組みです。

カレーや煮物など長時間の煮込みが必要な料理も、電気圧力鍋を使えば時間を3分の1~4分の1に短縮できます。

電気圧力鍋の種類

電気圧力鍋には、マイコン式とIH式の2種類の加熱方式があります。
両者はヒーターの構造に違いがあり、マイコン式は釜の底部分に設置されたヒーターによって内部を加熱する、IH式は釜の周囲にも加熱コイルがあり、釜全体を加熱します。
よって、加熱ムラが出にくいのはIH式です。

多少の加熱ムラはありますが、マイコン式の電気圧力鍋でも十分美味しく仕上がります。
IH式よりもリーズナブルな価格で手に入るため、価格の安い電気圧力鍋を探しているなら、マイコン式のほうがおすすめです。

価格はやや高いですが、食材の芯まで味を染み込ませたい、料理の仕上がりを重視したいならIH式を選ぶと良いでしょう。

電気圧力鍋でできること

電気圧力鍋でできるのは、煮込み料理や無水調理だけではありません。
メーカーや機種によって搭載されている機能は異なりますが、蒸す、ゆでるなどの一連の調理ができるほか、お米を炊いたりケーキを焼いたりすることもできます。

他にも、電気圧力鍋には、コンロ型の圧力鍋にはないさまざまな便利機能がついています。

自動調理コース

電気圧力鍋のモニターに表示される定番料理を選択するだけで、自動で調理してくれる機能です。
「カレー」「肉じゃが」「角煮」など人気メニューが揃っており、材料と調味料を入れてボタンを押すだけで調理が開始されます。

予約調理

電気圧力鍋の種類によっては、予約調理ができるものもあります。
食材を投入しておき、時間を指定すると、時間に合わせて調理が開始されます。

朝起きる時間や家に帰った時間に合わせて出来たての料理を食べられるため、忙しい人に便利です。

調理後の保温・再加熱

電気圧力鍋の種類によって、調理後の保温機能や温め直し機能が搭載されているものがあります。
保温機能がついている機種は、調理が完了したと、自動で保温モードに切り替わります。
料理を同じタイミングで食べることの少ない家庭に便利です。
ただし、機器によって最大稼働時間が異なります。保温機能がついている電気圧力鍋を選ぶ場合は、注意して確認するようにしましょう。

電気圧力鍋を使うメリット

火を使わないから安心

電気圧力鍋はガスや火を使わないため、火災の危険がほぼありません。
火加減は自動で調整されるため、料理が焦げる心配もないでしょう。
そのため、これまでの料理のようにキッチンで付きっきりになる必要がありません。
ほったらかしで良いので、電気圧力鍋が料理してくれている間に外出することもできます。

音が静かでいつでも使える

電気圧力鍋は、調理中の音が静かなのが特徴です。
コンロ式の圧力鍋は調理中に大きな音が出るため、不快に思う人や「怖い」と思う人もいますが、電気圧力鍋の音は調理開始や完了を知らせる電子音くらいです。
夜中も音を気にせず安全に調理ができるので、小さなお子さんがいる家庭にもおすすめです。

家事を時短できる

電気圧力鍋は通常の鍋よりも早く一気に加圧できるため、普通なら何時間もかかる煮込み料理も短時間で仕上がります。
数時間かかる豚の角煮なども、数十分あればやわらかくなり、味もしっかりと染み込むでしょう。

調理時間を大幅に短縮できるため、家事への負担がいっそう軽減されます。

凝った煮込み料理をつくりたいけれど、調理にかけられる時間がないために実現できていなかった人におすすめです。

電気圧力鍋を使うデメリット

電気圧力鍋は便利ですが、見方によってはデメリットに感じるところもあります。

キッチンの場所を取る

火を使わずにいつでも時短調理ができる便利な電気圧力鍋ですが、小さくても3合炊きの炊飯器ほどの大きさがあり、置き場所が必要です。

キッチンのワークトップだと調理の邪魔になってしまいます。
狭い物件やキッチンが小さな賃貸など場合、置き場所に困ってしまうのが難点です。

他の家電を多用できない

電気圧力鍋は、一般的な家電に比べて消費電力が高めです。食洗器や電子レンジ、炊飯器、トースターなどの家電をいくつも同時に稼働してしまうと、ブレーカーが落ちてしまうおそれがあります。
他の家電を同時に使いたい方は、電気圧力鍋の中でも消費電力が低めなマイコン式電気圧力鍋にすることをおすすめします。

電気圧力鍋の選び方

ここからは、電気圧力鍋を選ぶ際に失敗しないポイントをまとめました。

調理モードの豊富さで選ぶ

電気圧力鍋は、圧力で調理するほかに無水調理やスロー調理、炊飯、発酵調理などさまざまな調理モードがあります。
初心者の場合は、つくってみたい料理やチャレンジしたい調理法に合わせて選ぶと良いでしょう。

ちなみに、ほとんどの電気圧力鍋に炊飯モードがついているので、炊飯器を購入せず、1台で2役の働きをしてもらうこともできます。
キッチンの狭い物件や置き場所に困るなどは、炊飯器を買う感覚で購入するのもひとつの手です。

自分に合ったサイズを選ぶ

電気圧力鍋を購入する際にもっとも大切なのが、自分にあったサイズ(容量)です。
大きすぎる電気圧力鍋だと毎日使うのが面倒になってしまいますし、小さな電気圧力鍋だと、人数分の料理をつくるために何度も稼働させなくてはなりません。

1~2人暮らしの家庭なら2.5リットル程度、3~4人なら3.0リットル以上のサイズを選ぶようにしましょう。

鍋の容量は、一般的に満水容量で表示されますが、電気圧力鍋によっては、調理できる量をあらわす「調理容量」の場合もあるため、注意が必要です。

使いたい機能がついているか

予約調理や温め直し機能、低温調理、発酵調理機能など、自分が使いたい機能が搭載されているかをチェックします。
また、料理の中には、煮込みや蒸し料理で仕上げる前に、焼き目を付けなくてはならないメニューもあります。
ホットプレートのように手動で加熱できる機能が付いている電気圧力鍋なら、追加の鍋やフライパンを使わず、楽にお手入れができるでしょう。

デザインがマッチするか

電気圧力鍋の機能や性能も大切ですが、使いやすいデザインか、インテリアにマッチするかをチェックしてみるのもおすすめです。

常に安全性や機能面は重視されていますが、各メーカーによってデザインが異なります。
なるべく自宅キッチンの雰囲気やインテリアに合わせたものを選ぶようにしましょう。

安全性に配慮されているか

ガスや火を使わない電気圧力鍋は、コンロ型の圧力鍋よりも簡単で使いやすいですが、万が一の事態を起こさないためにも、安全性に配慮されているかを確認するようにしましょう。

例えば、加圧中には蓋を開けられないよう、ロック機能がついているか、ふきこぼれを防止する機能がついているかなどです。
また、躓いたときに足を引っかけないよう、外れやすいマグネット式のコンセントが採用されているとより安心です。

ここまで、電気圧力鍋の魅力について紹介してきました。
電気圧力鍋は必ずしも買わなくてはならない家電ではありませんが、あれば手の込んだ料理も短時間でつくれますし、電気代やガス代の節約にも繋がります。

これまで敬遠していた煮物や鍋料理も、作ってみたい意欲がわいてくるかもしれませんね。
電気圧力鍋をまだ持っていないという人は、料理の幅を広げるためにも購入を検討してみてはいかがでしょうか。